こちらはトミーウォーカーが運営する「SILVER RAIN」に登録しているキャラクター、「芹澤天」と「山田八重」のブログです。
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ベットに身を投げ出して、目を閉じて。
ただただ、耳を澄ます。 他の音が聞こえなくなるまで。 自分の音も聞こえなくなるまで。 瞼の裏を、雨音で満たして。 「何か、あった?」 不意に紛れ込む、低く落ち着いた声。 「それとも、何もない?」 言葉遊びのような問いかけと、ページをめくる音。 「…何もないよ」 答えて、かすかに瞼を開く。 雨に打たれる窓、低い天井…傍らの気配には、目を向けないままで。 「逃げてるの?」 ぱらり、とページをめくる音。 「…わかんない。自分の中が『自分』ばっかりで、嫌なだけ」 ため息をついて、ころんと転がってうつ伏せになる。 「自分の中に『自分』ばっかり、か…自分の中には、『自分』しかいないと思うけど」 大きな手が髪を撫でる感触。 少しだけ顔をしかめて、抱き寄せた枕に顔を埋めた。 「わかんないけど、でも、こんなにごちゃごちゃで、狭いのは、やだ」 「ふぅん……よく分からないな」 それでも、手の感触は無くならないから、 「分かんないなら分かんないなりに、放っておいて欲しいんだけど」 ちょっと冷たい口調で、突き放してみる。 頭上でくすりと笑う気配。 撫でる手は、止まらないままで。 「拗ねてるんだよ。最近かまってくれないから」 「ばーか」 自分はどこに行くかも告げずにフラフラ出て行く癖に。 睨みあげると、眼鏡越しの黒い双眸が細められる。 「彼女でも作ればいーじゃん」 そう言って唇を尖らせると、首を傾げられた。 「八重達みたいに見てて面白い生き物って、他にいる?」 「そもそも判断基準が違いますぅ。っていうか生き物って人権無視かコラ」 寝転がったままでげしげし蹴ると、何故か微笑まれた。 「いつもの八重だ」 ぽんぽん、と頭を軽く叩き、あっさりと手を引っ込める。 何事もなかったように視線を本に戻し、ページをめくり始めた。 「かまうだけかまったら放置っすか」 「…ん?かまって欲しい?」 「いらん!」 即答して枕に顔を埋めると、くすくすと笑い声。 わざと無視して、もう一度目を閉じて、 遠くなった雨音に、耳を澄ました。 他愛も無い会話、かすかな笑い声。 ページをめくる音、雨の中。 「…ところで修兄、お店は?」 「ん?サボリ」 「……瑠璃ちゃんに怒られても知らないよ」 ----------------------------------------------------------------------------- 山田家長男、修兄さんを出してみた。最近マヨラーの設定が追加された修兄さんです(ぇ うっかり修兄と瑠璃(山田家長女)ばっかり設定が濃くなっていくのは背後の趣味。 ゲームで使わないキャラなのに色々設定が追加されていくという。 PR この記事にコメントする
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